ふぐを数える まるく膨らんだ、やはらかそうに、そこ、ここで、身を寄せ合っている。くすんだ硝子の生け簀で、ふぐをかぞえ、かぞえなおし、かぞえなおし、濁った目が、また減って、増える。何回も指差して、手の甲をすりあわせ、こしこしこしこしと、指と指の谷間を、こしこしこしこしと、せわしなく、数を塗りたくる。